甲武信・大菩薩嶺
H16.9.3〜4

久しぶりの遠出の山行。
台風18号が発生しているらしいが、まだ関東には影響してないようだ。天気予報は曇り。
9月2日、千葉の娘の車を借り、夜9時出発。
川上村の甲武信岳登山口に12時半到着。
もう数台の車が止まっている。車の中で仮眠。
暑い暑い九州から来たので、寒くさえ感じる。でも、前の日ほとんど眠ってないので、ぐっすり眠った。

登山口5時半出発。
最初は、広い緩やかな道。
木材の伐採のための車が入っているようだ。
20分ほどで、山道らしい、沢沿いの道になった。
脇に川が流れている。
これが、千曲川になるのだろう。
私は、子供の頃千曲川のほとりで育ったので、感慨深い。
そこの千曲川はもう川幅数十bあって、ゆったりとした流れだったがここではまだ、渓流という感じ。
でもとても清冽な感じで、こんなきれいな川の畔で育ったのだなあと考えるとうれしくなる。
あちこちに様々なキノコが生えていて、「あーあ、今日帰るのなら採って帰るのだけど・・・」
高校生の頃、2学期制の学校だったので、秋の期末休みには友達ときのこ採りに出かけたことを思い出す。
何年か前の八ヶ岳でも豊作だった。
でも、道の脇にこんなに残っているのは何故?
地元の人は採りに来ないのか、地元の人は、美味しいものしか採らないのか??

これはキシメジ?
「千曲川源流へ」と言う標識が続いているので、道はわかりやすい。
また、川に沿ってなので、緩やかな勾配。全然疲れないし、景色は綺麗だし、ハイキング気分。
ナメ滝が美しい。
沢を詰めても良さそうだが、源流近くなるとロープが張ってあって、沢詰め禁止になっている。
源流保護のためだろうか。

スタートから2時間半ほどで、「千曲川源流地点」に到着。
「ポタッ ポタッ」というひとしずくからのスタートを予想していたが、清水のように、木々の間から浸みだしている。
冷たくて、甘みのあるおいしさ!!

帰りには絶対汲んで帰ろう・・・
源流からは、急な登り。
しかし20分ほどで尾根に飛び出す。
尾根で携帯を見るとアンテナが立っている。
娘に再来週の飛行機のチケットの予約を頼んできたので、電話をしようと思う。しかし、探しているだけで、繋がらない。きっと山頂の方が電波状態が良いだろうと、あきらめて山頂に急ぐ。

さらに20分ほど尾根歩きをすると、山頂直下の急な岩場にとりつく。
上を見ると山頂の標識が見えるので、もう着いたも同然。

時計を見ると9時。登山口から3時間半、コースタイム通り。
山頂に着いた頃、雲が出て、先ほどの青空はどこへやら。
でも、でも、山頂は携帯、圏外!!
しばらく、戻ってみるが、ズーッと圏外。
飛行機の予約開始が9時半なので、先ほどの尾根まで戻ろう・・・と、視界の回復を待つのをあきらめる。
写真を撮り、梨をかじると下山開始。
何とか9時半までに尾根まで戻るが、結局繋がらず、もうまな板の鯉・・あきらめた!!

しかし、そうそうに下りてきてしまったので、時間が早い。
そうだ、大菩薩嶺は、介山荘まで行ってしまったら、明日は時間短縮できるのでは・・・ということになった。
車に乗り、携帯が通じるようになってから、電話をしてみる。
「すみません、今日なんですけど、泊まれます?」「いえ、今日はちょっと・・」「ぁ、一杯なんですか?」
「いえ、そういうわけではないのですが」「ああ、今日は営業してないんですか」「まあそんなもんです」
なんだかよくわからなかったが、泊まれないということは間違いないようなので、最初の予定通り、福ちゃん荘に予約を入れる。娘とも繋がり、確認、何とか取れたようだ。
しかし、それにしても早すぎ!!

勝沼に入ると、道の脇はすべてと言って良いほど葡萄農家。葡萄を売っている。でも我々は葡萄ではなく、時間つぶしに葡萄酒をめがけ、メルシャンのワイナリーへ。
ワイン製造工程見学ツアーと、ワインの試飲を楽しむ。運転手は,ひたすら果実酢で我慢!!
時間も丁度良くなったので、おみやげのワインを買うと、福ちゃん荘に向かった。

福ちゃん荘に泊まると、福ちゃん荘の駐車場まで入れるので、大幅時間短縮。
福ちゃん荘には先客あり。我々と同じくらいの年配の女性単独行。
お風呂に入り、ビールを飲みながらおしゃべり。
宇都宮から、青春18切符で来て、バス停から歩いてこられたという。

明日は石丸峠に行ってから、大菩薩嶺を目指し、また、歩いて帰るという。今までの山も結構マニアックなコースで登っていらっしゃるようだ。
本当に山が好きなようで、「我々は山が好き・・というのではなく、山で飲むお酒が好きなんだね」と、反省。
朝6時から朝食。相客の女性はお弁当を持って、もう出発されたようだ。
朝食を取っていると、下から20人ほどの団体が登ってきた。おそろいの黄色のタオルを首に掛けている。

我々は6時半出発。
介山荘側から登ろうと思っていたのだが、福ちゃん荘の奥さんに勧められ、団体さんの登っていった大菩薩嶺からにする。
秋なので花はもう少ないが、ウメバチソウ、ヤハズハハコ、マツムシソウ、ミヤマシオガマ、アキノキリンソウなどが咲いている斜面を登っていく。
天気予報では、雨。しかし、まだ降りそうもない。
雷岩の分岐までは40分ほど。
花を見ながらだったので、楽しい登り。

ただ、曇りなので視界がない。
大菩薩嶺には、団体さんの先客が。
大阪弁が聞こえるので、関西からだろうか。

大菩薩嶺・・というから、なんとなく高い山のてっぺんから下界を見下ろすような気がしていたが、林に囲まれ、展望はない。
縦走路を歩いて行くと、反対コースから、人が来る。よく見ると、昨日の相客の彼女。
石丸峠は、あまり期待ほどではなかったらしい。
彼女が調べてきたコースタイムでは今日の予定行程5時間とのことだったけど、そんなに時間はかからなそうで、拍子抜けだという。
でも、雨が降らなくて良かったですよねえ、これで視界があれば・・・などと言っていると、急に、みるみる雲がとれ、目の前に大きな山が!!

え、富士山?!
期待してなかったので、大感激!!
手前には上日川ダムが見える。
大菩薩嶺も見えてきた
富士山を眺めながら、大休止。
コーヒーも山が見えると格別!!

歩いているときも、右前方にずっと富士山が見えているので、福ちゃん荘の奥さんのお薦めどおり、こちらのコースで良かったねえ・・と思う。

いつまでもいたいくらいだったが、雲が出てきて、富士山が隠れてしまったので、大菩薩峠に下りる。
入れ替わりに続々と、登山客が登ってくる。
大菩薩峠には、昨日宿泊を断られた介山荘。
おみやげを買う人たちで賑わっている。

介山荘は、山小屋より、おみやげ物屋さんになったようだ。大菩薩峠の名前の由来、菩薩像は、言い伝えだけで、埋められている場所などはわからないし、実際はないだろうとのこと。
「あえていうなら後ろに写っている首なし像だね」とは、介山荘のおじさんの話。

介山荘からの下りは、林の中の視界のない、はっきり言うとおもしろみのない道。
でも、どんどん、人が登ってくる。
「大菩薩嶺側から登った方がいいですよー」と、言いたいけど、今更言ってもだめなことなので、言葉を飲み込む。

富士見荘などと名付けられている小屋もあるので、林の切れ目から富士山が見えるのだろうが、もう雲の中から顔を出さないようだ。
本当に、ラッキーだった。

福ちゃん荘に戻ったのは、10時。富士山を眺めてあれだけゆっくりして、3時間半だから、3時間くらいの行程だろうか。案内板のコースタイムはちょっと、のんびりタイムのようだ。
福ちゃん荘の奥さんが出迎えてお茶を入れて下さる。
教えて頂いたコースを取ってよかった・・とお礼を言うと、
「役場のホームページで、峠周りを表参道とか言って勧めているようだけど、知っている人はこちらから行くんですよ。皇太子様方もこちらのコースでしたよ」とのこと。

福ちゃん荘で、大菩薩の湯の割引券(600円→300円)をもらったので、帰りに寄って見た。全然汗をかかなかったから、割引券がなかったら行かなかったかもしれないが・・立派な綺麗なお風呂だった。シャンプーも石けんも完備。