後方羊蹄山・幌尻・ニセコ
H.12.7.16〜20

利尻、大雪の鹿児島隊が帰った後、2日ほどして、うちのだんなHが来た。

札幌の大学生協でレンタカーを借り(ここが一番安かった:6000円/日)

夜千歳まで迎えに行く。

千歳で食料を調達して、倶知安の羊蹄山自然公園に向かう。着いたのが12時過ぎだったので、車の中で仮眠。

朝明るくなると同時に登り始める。

学生時代は車が無かったのと、非難小屋があったので比羅夫から登っていた。

こちらからは初めてである。

お鉢に着いて岩尾根を通って山頂へ。比羅夫からだと母釜、父釜の間を行くのでこの岩尾根は初めて。羊蹄ってこんなに険しかったんだ!!
あとで見たら山頂も昔の山頂と違っていた!


山から下りるとふきだし公園にある温泉へ。ここふきだし公園にはおいしい湧き水もあるし、真狩村出身の細川たかしの像もある。

温泉から出て今日はどこに泊まろうかと言うことになり、車を借りるとき生協で見たペンションを思い出した。ニセコのペンギン村。1泊3500円・・・電話をすると3500円は学生料金でOBは4500円とのこと。では明日はニセコに登ろうと、ペンギン村まで車を走らせる。
ペンギン村はニセコのペンション村の中にあり若い人好みの感じ。食事はバイキング形式でなかなかおいしい。一組に1本ワインが付く。もてあましているグループもいたが我々はありがたく飲み干す。

次の日ニセコに登ろうと天気予報を聞いていたら、明日から下り坂とのこと。
どうせ雨に降り込められるなら山小屋がいい・・・と言うことになって、急遽幌尻に行こうと決めた。宿を早めに発ち、停滞用にウィースキーのペットボトル、つまみ、食料をしこたま買い込む。
雨の振り出す前に・・・と幌尻の沢を急ぐ。幌尻は沢詰めというほどではないのだが、渡渉を繰り返し沢に沿って登っていく。学生時代沢詰めの時は地下足袋にわらじだったが、今回は磯足袋と言うのを買ってきた。値段の割になかなかよい。なんと言ってもごみの出ないのがよい。

小屋に着く頃ぽつぽつ来出した。ぬれたものを着替え、冷やしておいたビールを取りに川に行くとわずかの間にもう増水している。
小屋はストーブが入っていて暖かい。先客が大勢いるので、2階に上がって場所を取りお昼とともにビールを飲むと心地よい。明日は雨だろうし・・・と思うとなんてのどかな幸せな時か・・・。

隣には我々より年配の夫婦
「私たちはサンデー毎日なの。NHKの100名山の番組が楽しみでねえ」
奥さんが話しかけてくる。夫婦で100名山を登っているとのこと。
奥さんが饒舌な割にだんなさんの様子がおかしい。「どうかしたんですか」聞いてみると登ってくる時足を痛めたとのこと。「増水してきてますよ。今のうちの下りてしまったほうがいいのでは・・・」でも奥さんは「でも、まだ登ってないし・・・」なんてつぶやいている。午後になって登頂を済ませた人たちが下りていってしまうと小屋は静かになった。

次の日は予想通り大雨。下からも増水しているので登ってこない。
日程的には余裕があるので登頂はあきらめ、ウィスキー入り紅茶をちびちび飲みながら持ってきたパズルを楽しむ。私の好きなのはナンクロ。1枚の問題と鉛筆があれば数時間かかるのでサウナと山には必需品。

何回も階下にお湯をもらいに行くので、階下の人たちとも話しが始まる。100名山に入っているせいか内地の人が多い。「どこ登ってきたのですか」とか「このあとはどこへ」など。幌尻からトムラウシと言う人が多いらしく、先週登ってきたと言うと、いろいろ情報を聞かれる。クワンナイの話や他の道内の山の話にも花が咲く。そのうち「どこからきたの?」ときかれ「鹿児島」と答えると「エーなんでそんなに詳しいの?」地元と言う人に驚かれる。実は・・・学生時代・・・と種明かしをすると、「なあんだ、どおりで」

隣の夫婦はだんだん深刻そうになり、「ヘリコプター・・・」「50万円くらい・・」などと、途切れ途切れに聞こえてくる。何回目かにお湯をもらいに行った時、明日朝一で下りる。という話が出た。20〜30位のベテランの男性六人のグループだ。隣の夫婦に「彼らに頼んでみたら」「うーん」・・・おせっかいな私は彼らに「上に困っているご夫婦がいるのだけど」と切り出すと「そんな大事なことは本人が頼むべきだ」とすごい剣幕。2階にも聞こえたらしく、だんなさんも足を引きずりながら奥さんに支えられて下りてきた。バトンタッチで私は上に上がってしまったのだが、どうやら土下座して、警察への連絡を頼んでいたようだ。

私は初めての経験だったが、山で怪我をすると言うのは、大変なことだ。今は携帯があるけれど、幌尻のように携帯の通じないところも多い。昨年幌尻山荘に閉じ込められた人たちは地元の人たちが小屋にストックしてあった食べ物も食べ尽くし、幸いトランシーバーを持っている人がいて、それで連絡がつきヘリで食料を落としてもらったとのこと。今回も天気がよくなるのは明日だけでそのあとはまた悪くなるそうだからチャンスは明日だけのような気がする。

次の日は予報どおり雨がやんだ。
朝一で下りるといっていた彼らはもういなかった。しかし水かさはまだ多いので、他の人たちは躊躇している。

私たちは当然山頂を目指す。今日山頂を目指すのは「エーなんでそんなに」と言われた地元の二人組みと2組だけ。「今日は我々だけの山ですねえ」お互い顔を見合わせにんまり!!

山は予想通り最高!!
雨上がりの澄み切った空気。昨年登ったピパイロ、十勝幌尻もよく見える。
下は雲海だがカムイエク、ラッコ・・・日高の山もパノラマになる。

小屋に下りてくるともう小屋は空っぽ。老夫婦二人が小屋の外でぽつんと座っている。

「先ほどみんな下りていきましたよ」とのこと。
しかしまだ水かさは多い。我々が下りはじめる頃下からの1番のりが着いた。昨日登ろうと思ったら背が立たなくてあきらめたと言う。

しかし、水はまだ腰あたりまである。ロープで確保しながら慎重に下りていく。頭の上にヘリの音、ついでに私たちも乗せてもらえばよかったねえなどと冗談を言いながら渡渉を繰り返す。最後の渡渉のほとりに女性2人服を乾かしている。4,5回渡渉したところで流されここでやっと止まったという。エー、よく助かったよねえ、それにしても、この水量だったらあの夫婦へリ呼んで正解だよねえ、などと話しながら下りる。

車に乗り林道を下りだす頃下からタクシーが来る。例の夫婦が乗っている。軽のレンタカーに乗り込んでいた。我々もまあ老夫婦なのだろうけど、最近は本当に年をとってから山を始め100名山しか登らない・・・と言うようなご夫婦によく合う。私たちが見てさえも無謀だなあ・・と思うような組もときどきいるから、多分あのベテラン組はそのことを普段から苦々しく思っていたのだろう。

思ったより早く下りてきてしまったので、ニセコリベンジ!!とまたペンギン村にもどる。
次の日はまたまた天気予報どおり雨!!でもせっかくだから、アンヌプリへ。雨で視界はないが、オトギリソウが満開!!山一面が黄色に染まっている。

下りてきて車のラジオをつけると竹丸師匠の声。一瞬鹿児島にいるような気分になる。
と言うのも桂竹丸師匠はわが鹿屋市出身。現在鹿児島のローカル放送MBCの日曜のお昼のラジオ番組の司会をしている。その竹丸師匠が木曜日は札幌のSTVで番組を持っているのだ。北と南で同じような放送を聞くのも面白いものだ。おまけに相手の女性のアナウンサーも鹿児島のアナウンサーみたいなしゃべり方をしている。
夜遅く今度は南暑寒荘へ

雨竜は私の大好きな所のひとつ。
暑寒別岳ももう1度登りたい山だ。
しかし、南暑寒荘は、昔とは違ってものすごくきれいな建物に変わっていた!!
1泊1人500円とのこと。管理人はもう帰っていたが500円では申し訳ないほどきれいな建物だ。部屋もたくさんあったので我々だけで一部屋使わせてもらう。食事はホールの談話用のスペースで他の人と一緒に話をしながらとる。自動販売機もあって、快適だ。
暑寒別岳
次の日は暑寒まで行くつもりで早出。しかし「湿原保護のため入山禁止」雨竜からの登山口が登れないようにしてある。迂回して超えれば超えられないこともなかったが・・・次の機会に箸別から登ろう・・・と言うことになって、湿原散策に切り替えた。昔は尾瀬より視界的には広いような気がしていたが、ずいぶん熊笹が侵食してきていて湿原が狭くなっているような気がした。このようにして、湿原は自然に干上がっていくのだろう。自然に任せるのがよいのか、人間の欲望のままに湿原を残すのがよいのか・・・
下りる頃には50人くらいの団体客が来た。雨竜もこんなにメジャーになってしまったのか・・・!!
次の日はまたまた雨。観光に徹しあちこちより道しながら同窓会会場定山渓へ
4年ぶりの友達はそれなりに落ち着いた顔を見せてくれた。
前回は次の日札幌岳に登ったのだが今回は雨のため登山はなし。
道庁勤務のH氏の金山にあるお宅のイングリッシュガーデンの見学となった。