雁戸山・蔵王熊野岳・西吾妻岳
H12.11..3〜5

錦秋を見おろす蔵王山

1.回想

 フロントグラスに水霜が降りた

 この4、5日は暖かったのに

 やはり冬へ向かっている

 波のうねりのように 季節はゆっくりと進む

 

 やっと「錦秋」を迎えた里山は、

 夕陽を受けて ぱあっと燃えている

 暖かい! 

 黄、橙、赤、そして紅がまじりあう

 

 里山の紅葉(もみじ)が終われば、

 燃えるものは もう大地には残されていない

 木枯らしが吹きぬける林を

 乾いた落葉が カサカサと転がっていく

 

 葉を落とした林は 私たちに明るくささやき

 高く澄み切った青空は 瞳(ひとみ)にやさしい

 太陽の光は勢いを失い 大地は眠りを求め

 そして 時は止まっている

 

 けれど

 一面に赤茶けたブナの森は 

 しっとりとした時間を与えてくれた

 私たちが ゆっくりと熟す一時を

2.山日記

1)11月3日 雁戸山

 

  早朝の街は、うす曇りながらも日が射しはじめた。

  東京からの夜行バスで着いた二人を出迎え、笹谷峠から登る。

  雁戸山(がんどさん)は、終日、雲の中、いや霧雨の中。

9:45 笹谷峠発

 10:50 雁戸山(北峰)着

   南雁戸山(南峰)を往復して下山

 15:00 笹谷峠着

10月末に初冠雪した雁戸山は、昨日からの暖気で季節が逆戻りしていた。

 笹谷峠からの登山道には、まだぬかるみが残り、滑りやすい。

11月に入っ
たばかり、そして連休初日だから、登山者は多い。

しかし、寒気が入ればす
ぐ雪になる。恵まれた一日だ。

  6月に登った時に見たとおり、峠は一面の笹原。

木々の背丈は2mもある
だろうか。

それが、峠から離れて登るに従い、樹種が増え、木々の背丈が伸
びていった。

  秋の陽にあたって金色(こんじき)に輝いただろうカラマツが葉を落とし 

すっと背を伸ばして立っている

  やがて 森の優占種のブナが幹は細いながらも わがもの顔に群生し始めた

そして 葉を落とした木々の幹が重なりあって見とおしがきかなくなる

  私たちは 深い森の中を歩いていた濡れた落ち葉を踏み 

細流を飛び越しながら
  県境の尾根へと ゆっくり登っていく

    道は尾根を越え 東斜面をトラバースしている

  霧雨に濡れた私たちはカッパを着込みぬかるみになった道を

泥はねを気にしながら進んで行った

  森の中 道は暗い

   道のわき ブロック造りの祭壇に気がついた

  祭壇の奥には 古びた木札(もくさつ)が祭られ かすかに 

「極楽往生………」と読み取られる

  祭壇の前には塩ビの筒が3本たち枯れきっていたが 竜胆の花が供えられていた

  春には 深く気にとめなかったものを 寂しさつのる晩秋には 心にしみてくる

  誰か 雪扉(せっぴ)を踏み外して 遭難したのだろうか

  自然に 心の中で手を合わせる

歩いても 歩いても 霧は深く 私たちは包まれている。

  いつしか 話し声も止み 後から 荒い息だけが伝わってくる

  もう 休もうか  いや 少し行くと 分岐に出るはずだ

 

  やがて 急な岩場を見上げる分岐に出た

  やっと 雁戸山の核心部に入ってきたのだ

  やせ尾根と岩場の連続した道を ゆっくりと足場を確かめながら

  北峰 そして南峰へと伝って行く

 

  眺望の効かないのが不満の種だが また来る時の楽しみを残してくれる  

  双耳峰(そうじほう)の折りかえしは 気力と体力を使いすぎる

  一山ではなく 一山半登るかのようだ

 

  北峰をもう一度登り返し 後にしようとした時 西方の雲が切れはじめ 

紅葉に彩られた下の尾根が見えてきた

  青空ものぞいている 天候が回復してきたのだ

 

  明日は秋晴れが期待できるぞ!

  両足に力がよみがえり 話し声も大きくなる  

  だが ぬかるみに足をとられ 滑り 滑りしながら

  笹谷峠に着いた時には

  その元気は しばし消えていた

 

  疲れた体をいたわりながら 

  汚れたカッパを脱ぎ 山靴をはきかえる

  宿に集合する友を迎えに

  錦秋の峠路を 車はゆっくりと下りて行った


山形の雁戸山

 

 山形の先輩から,「蔵王に登って、芋煮会」のお誘いが来た。

丁度仕事も連休で、鹿児島からも参加できそう。でも、今年は7月と9月に遠出しているし…どうしよう…思案していると主人が、「実はJASのマイレッジが貯まっているんだ。プレゼントしてあげるから、行って来たら?」

鹿児島名産、桜島鳥のスモークと、炭火焼きをおみやげに参加することにした。参加者は、山形、秋田、福島、埼玉、東京、鹿児島とそれぞれ違う県から集まった6人。

1日目は山形泊なので、近郊の『雁戸山』へ。登山口は笹谷峠だが、ここは、尼寺の跡や有耶無耶の関、茂吉の歌碑もあり歴史を感じさせる。晩秋の紅葉が、最後の見頃!!

雁戸とは、ガンドウと言う地元の言葉で鋸を意味しているそうな…。その名のとおり

鋸の歯のような鋭いピークが連なり、なかなかおもしろい山だ。険しい岩に手で掴まりながらやっと登っていくと地元の人々のパーティーが数人。言葉が鹿児島とは全然違うのに当たり前のことながら感激!!

北と南のピークを登り、桜島鳥と梅酒で乾杯!!

ところが下りるのが大変!!ぬかるんでいて足下はグジャグジャ。「アーッ」ドスン。と言う声が何度か…。皆を笑っていた私も最後の最後でドスン!!車にたどり着いたときはみんな仲良くお尻を黒くしていた。 beryoska記

2)11月4日 蔵王山

  

  やった!

  朝霧が濃い

  今日は文句なしの快晴だ!

  早く蔵王へ行こう!

  素晴らしい眺望が待っているぞ!

 

  車が登るに従い 霧は晴れてきた

  錦秋の山々が私たちを出迎える

  蔵王の温泉街は紅葉に包まれ 

  いかにも暖かそうだ

 

  地蔵山まで登ると 盆地を埋めつくした雲海の上に

  蔵王を取り囲む山々が見えてきた

  真向かいは朝日連峰 左に飯豊連峰 右に月山

  飯豊の左は 吾妻連山と安達太良山

 

  月山の右は 遠くに鳥海山

  そして 蔵王の熊野岳から雁戸山を経て

  さらに北へと続く奥羽の山々

  いずれも 私たちが登った山ばかりだ

 

  蔵王の最高峰 熊野岳へ登るほど

  真向かいの大朝日岳は高く 気高く聳えている

  なだらかな月山や吾妻はおおらかに

  飯豊は また迫力が増してきた

  昨日登った雁戸山は

  尾根のきついギザギザが 目にあざやかだ

  

  私たちを取り囲む 親しさつのる山々よ!

  熊野岳のなだらかな山頂で

  君らを眺め 眺めして

  ビールで乾杯し ワインの栓を抜き

  何杯飲んだろうか

  小1時間も休んだろうか

 

  さあ、お釜を見に行こう!

  蔵王のシンボルを!

                              

熊野岳の斜面から眺めるお釜は

  はるかに 青く横たわる南蔵王をバックに

  エメラルドグリーンの水を湛え

  快晴の陽を受け 輝いていた

  さて この景観から 観光客を消し去ろう

  ロープウエーも 観光道路も何もない

  温泉から 自分の足で登り着いた

  やっと お釜が眺められたのだと

  昔 父の青春時代に 私たちがいるのだと想ってみよう

  360度 さえぎるもののない 解放感に包まれて

  取り囲む山々を 飽きずに眺める

  朝日に飯豊 月山に鳥海山 話は途切れることがない

  そして 蒼空(そうくう)のもと 見下ろす錦秋に魅了されながらも

  火山の荒荒しさに お釜の奇観に 

  驚嘆(きょうたん)する 一時を過ごしただろう

  こうして 「南東北(みなみとうほく)の山旅」の最後は

  快晴の展望山 蔵王山で締めくくられた

                   (陽)



 雁戸山(1485m)、熊野岳(1841m)、西吾妻山(2035m

2000.11.35  田、帆、野、工、白、樋

     3日 夜行バスの2人を迎え、笹谷峠から雁戸山へ登頂。
             下山 後、後続部隊も合流し、あこや会館泊

     4日 蔵王温泉から地蔵岳、熊野岳登頂。
         下山後、米沢市五色 温泉へ移動し、泊

     5日 天元台から西吾妻山へ向かう。

        リフトが運休していて(整備中)、スキー場上部で帰る時間になり、下山。

        米沢市 内でラーメンを食べ、解散


山は冬間近かなだけに、冷え冷えとする。

行きやすい山でも、夏場とは違う印象を与えた。

好天の4日は、山々の展望日だった。今回も酒は十分あった。余った。)