ニセイカウシュッペ
H16.9.18

今年は4年に一度の同窓会の年だ。年賀状の頃から、楽しみにしていたのだが、どうも今回は、皆なんとなく、日程が合わなかったりで,ノリが悪い。
どうしようか、考えあぐねていたら、JALの「おともdeマイル」というのを見つけた。
これだと、同行者は、往復二万円、私はただになる。
e-mailで、「どうですかー」と募ったところ、自称「明日はあるけど、あさってはわからない」会社勤務の、Hさんが手を挙げてくれた。アメリカ出張だったはずの、Tさんも、「前半の山だけなら」と参加が決まった。

折しも、北海道は2回の大きな台風が通過したばかり。果たして、山の被害、林道の被害はいかがなものか。心配で、ネットで、あちこち聞いてみる。
すると、なんと有り難いことか、先週の日曜、登って下さった方が・・・いた!まあ、私たちのためだけではないだろうが、本当に感謝、感激である。
ル・クプル登山隊の、MIURAさん、ヒサゴさん、ありがとうございました。お世話になりました!!

連休のせいか、休みの始まる当日の始発便は無理のようだったので、前日17日夕方5時半出発。時間的にレンタカーの借りられるぎりぎりのところだ。
連休前とあって、空港は大混雑。キャンセル待ちも長蛇の列!!

予定どおり無事レンタカーで、旭川に向かう。
サービスエリアが閉まる直前、高速の「旭川方面パス」を、購入。これだと、ただ、旭川往復するだけでもだいぶ安くなるらしい。
旭川10時着。宿の近くの焼き肉屋で、明日の天気を祈念して、乾杯!!

18日、朝5時半起床。
上川の最後のコンビニで、お弁当と、朝ご飯を買い込み、一路登山口へ。
途中の林道には鍵が2カ所ある・・はずだったが、1カ所だった。

「聞けば番号を教えてくれるっていうんだから、なんのためにあるんだろうねえ?」
「登山の目的があるやつだったらいいけど、道があるから通り抜けられるだろう・・と入ってくるやつがいるんじゃねえか」
そんなことを話ながら登山口到着。
6時40分頃。

着いたのは1番乗りだったが、朝食を取っている30分ほどの間に、続々と車が入ってくる。

7時半、登山口出発。
林道の途中も、台風の爪痕が感じられたが、登山道も、落ち葉で埋まり、木々の枝が折れている。
「なだらかな尾根」という、ガイドブックどおり、緩やかな、会話がはずむ登り道。
大雪の山が見えてくると、もう、立ち止まらずにはいられない。
なんと、美しいことか・・!
こんな、展望が得られるとは・・期待していなかっただけに、感激だ!

「あれが、北鎮で、あれが、間宮、こっちが黒岳で、あっちが白雲・・トムラが見えないねえ」
昔よく登った大雪!!なつかしい!
ニセイカの山並みも見えてくる。
あれが、小槍?

昔、山岳部の友だちから、
「ニセイカは、層雲峡から一気に登る・・」
と聞いていたが、彼らは、あの稜線を登っていたのだろう。
あの稜線を登るのだったら、まさに、北海道のアルプス。

山岳部の歌「山の四季」にニセイカウシュッペが登場するのもうなずける。
台風で木々の葉っぱが散ってしまった・・とはいえ、紅葉は真っ盛り。
青い空に、ナナカマドの赤が映える。

鹿児島・高隈にもナナカマドはあるのだが、こんな色に染まったのは見たことがない。
見晴台で、もう一度大雪に見とれる。

斜め左に、黒岳のロープウェー。
北鎮が、どっしりと見える。
旭は、重なって見えない・・が山頂からは見えるだろう。
他の登山客も、絶好の写真スポットに、あちこちで立ち止まっている。

それにしても、天気が悪くて何も見えなかったら、つまらなかっただろう。

同行のTさんは、MIURAさんのホームページの写真を、「何も見えないときのために」と、落として持参してきたが、無駄な努力となってしまったほどの好天。
今は、シラタマノキの季節。
しかし、日当たりの良い尾根には、エゾノツガザクラや、アオノツガザクラの狂い咲きが数輪咲いていた。
初夏ならさぞ綺麗だろう。
10時半頃山頂到着。
山頂でまず、1枚!!

山頂ではやはり、ビールだ!!と飲み始めたら、やはり、ついつい宴会に。
1時間も経ってしまって、周りがガスってきてしまってから、パノラマ写真を撮ってないことに気づき、後悔!!
ガスがかかりだしてから、あわてて、紅葉の写真を撮る。

今年の紅葉は、葉が台風で飛ばされたせいで、いまいち・・とのことだったが、九州の紅葉に比べると、格段の美しさ。
MIURAさんのページにあった、アンギラス。

「これを越えるのは大変そうだねえ」自称怖いのはきらい、というTさんがつぶやく。

ルートはなさそうなので、あの岩場をこえていくのだろうか?!展望が効くときならよいが、ガスり出したら大変そう!
登りには気づかなかった紅葉が、下りは気になり、写真の撮り合い。
ミネカエデの黄色が鮮やかだ。

予定では、高原温泉に2時頃までに移動して、沼巡り。
しかし、下りてきたのが1時半、登山口出発が2時だったので、沼巡りは無理だろう・・とあきらめる。

ロープウェーで、黒岳に登ろうか・・などと、話ながら層雲峡へ向かう。
途中の林道には、えぞしかも。

もう少ししたら、雪が降る。
過酷な自然の中で生きている彼らにとって今年の台風は、食糧不足をもたらしているのかもしれない。

層雲峡に着くと、山頂は雲の中。
ロープウェーに、乗って、山頂駅まで行っても意味ないだろうと言うことになり、喫茶店で珈琲を飲みながら、向かいのパノラマ台、朝陽山を眺め、「昔はここから登ったんだよねえ」と思う。
高原温泉に向かう途中、銀泉台への道路の関門が、空いていることに気づいた、運転手のHさん、「銀泉台に行ってみよう」

銀泉台への道は、私が北海道に来たばかりの30年以上前、鳴り物入りで観光道路として造られた道。
もっとも、その頃、お金も車もなかった我々にとっては,縁のなかったルートで、Tさんも、Hさんも登ったことがないという。

私も、娘の大学時代、いっしょに赤岳に登っただけ。
今回の候補に銀泉台もあったのだが、なにぶんにも紅葉シーズン。銀泉台の予約は取れなかった。

銀泉台の紅葉はニセイカより見事で、ちょっと後悔。
もっと、早く予約を入れれば良かった・・と。
しかし、高原温泉荘も、なかなか・・・。
泊まるのは初めてなので、露天風呂が昔からあったかどうかは、定かでないが、山や、紅葉を眺めながらの入浴は、いいものだ。
お風呂の中で、名古屋から来たという方、札幌の方と、「紅葉が綺麗ですねえ、明日は雨でしょうかねえ」と、話が弾む。

宿泊費が18000円、というのは高いかなあ・・と思っていたが、料金表を見ると、ハイシーズンは普通でも16000円ほど。
そのうえ、宿の方に「高い部屋しか空いてなくて申し訳ありませんねえ」と、本当に申し訳なさそうに言われ、気持ちの良い応対をされると、決して高くはなかった・・と思う。
夜半になって、外は土砂降り。
屋根がトタンのせいか、ものすごい音で雨が降っている。

朝になると、フロントで、「今日は沼巡りやめますから、お弁当のキャンセルを」とか「連泊したいのですが」などといっている人がいるが、我々は当然、沼巡りへ。
足場が悪そうなので、宿で、長靴を借りる。480円也。

ゲートを通って、熊についてのレクチャーを受けてから入山。
今日は、高原沼までだという。

私は、20年ほど前、三笠新道から高根ヶ原経由で入って以来なので、丁度左回りは未踏破の道。
右回りは、止められている。

学生時代、大雪に入ると、高根ヶ原からすぐ下に高原温泉の屋根が見えるので、いつかここから登ろうと思っていて、子供が小学校に入ったとき連れてきて、北鎮・黒と縦走したのだ。

最初は、林の中の道なので展望がきかない。
それにしても、雨の中、泥んこで、長靴が威力を発揮!借りたのは大正解だった。
最初の沼、土俵沼につく頃には、雨があがってくる。
高根ヶ原も見えてきた。雨があがると、紅葉も一段と色を増すような気がする。

紅葉が沼に映ると美しさを増す。これが、沼巡りの醍醐味だろう。
同じ紅葉でも、水があると美しさが違う。

芭蕉沼にて
今日の終点の高原沼。

ボランティアの人が、大学沼に、5,6人。高原沼に、5,6人。
ボランティアにしても、こんなに沢山の、監視員がいるのは初めてで、びっくり。

我々のサークルは、レンジャー候補が多く、私の知っているだけでも数人(後輩はもっといるそうだが)いるので、
「年とったら、こんな所に泊まり込んでボランティアできたらいいねえ」などと話す。
雨はすっかりあがり、続々と人が登ってくる。

一番人気の緑沼。
行きに人が沢山いたので、「写真は帰りだね」と言っていたら、帰りはなんと、ガイドに連れられた、団体さんが、陣取っている。
写真はそこそこに、退散。

「大雪の自然を守る会」当時の、友人が、山岳部の仲間同士で自然ガイドの会社を北海道で、立ち上げているが、彼女の仕事はこんななんだろうな・・なんて思う。
高原温泉山荘まで戻ると、Hさんが悲鳴をあげた。
なんと観光バスが10台以上もいるのだ!!
続々と登っていく団体さんと、すれ違ったのも当然だ。

もう今は雨があがったとはいえ、朝のうち、彼らが出発した頃は降っていただろうから、昨日の今頃だったら、さぞや沢山の人が入ったことだろう。
高原山荘に宿泊すると、車を持ち込めると言うのは、なかなか捨てがたい特権だ。
シャトルバスを始め、まだまだ続々と入ってくるバスとすれ違うが普通の車はない。
ゲートには警備員が4,5人。
こんなに人件費をかけて、どこが払うんだろう・・なんて、心配をしながら層雲峡へ。

帰りの林道にはキタキツネ。
すっかり観光客に変身して、銀河の滝!

流星の滝ではなんと、看板付きで・・。

この辺の紅葉はまだ少し早い。
それにしても遊歩道には、大木の切り株が点々と。切り口が新しいところを見ると、今度の台風で倒れたものだろう。

この辺は一番のドル箱観光地だから、いち早く片づけられたのだろう。
旭川ではやはり、ラーメン村で、旭川ラーメンだ。

沢山お店があって、どのお店にも人が並んでいる。
「山頭火はこの前食べたから、今日は別のお店に」というTさんの言葉に従い、「塩ラーメン第1位」という表示のついた「さいじょう」に。
全員塩ラーメン・・・評価は「うーん、まあまあかな」餃子は文句なくおいしかったけど・・。
今回参加出来なかった、(米沢ラーメンを食べ尽くしたという)ラーメン通のHクマさんの評価が聞きたかった!

後は、一路、朝里川温泉の、同窓会に向かうのみ。

                        岩内ー目国内につづく